エッセイ

日々の散文 食多め

王道を外す:満月 最中

京都左京区にある京菓子司満月

こちらは阿闍梨餅で有名なお店さんです。阿闍梨餅のおいしさと言ったら言わずもがなと言った所だとおもいます。モチモチの皮と粒選りの丹波大納言小豆の餡。手土産の定番です。

 

しかしながら今回阿闍梨餅ではなく本店と金閣寺店で売っている最中を購入してみました。

これがまた素晴らしい美味しさです。

餡子が素晴らしいんです。

 

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京菓子司 満月:最中

 

こちらの売りはなんといっても一粒選りの丹波大納言を使用している事です。

丹波で作られる大納言は北海道で作られる大納言よりも大粒です。そして皮が薄く口当たりと香りがいい為歴々の菓子屋さんは丹波大納言を使用されております。

 

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開けてみてわかる粒の大きさ。餡子のお陰か小柄ながらしっかりとした重さがあります。

最中の餡らしく照りと粘りがあります。

そして食べて感じる豆の食感。しっとりとしっかりと豆らしさがある、もちろん皮の残る感じは全くしません。最中の種と一緒に溶けていきます。

 

最中のルーツは餅粉を蒸した物を焼き砂糖をかけた丸型の干菓子がはじまりだそうです。

江戸時代にこの干菓子に餡子を挟んだのが今の最中の始まりで、この時は和歌の名前から拝命して「最中の月」と呼ばれていたそうです。

後に丸くない最中が生まれたので月を取り「最中」になったそうです。

それで言うとこちらの最中のフォルムは原型に近いと言うことになりますね。

 

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直線的でシンメトリーなフォルムは本当に心惹かれます。

 

餡子を使う和菓子の中でも最中が1番好きなのですが、理由が最中種が湿気るのを避けるために砂糖を増やして 照りと粘りを増やした餡子だからと言うのがあります。

ヌガーまでは行かないですが濃厚な餡はやはり幸せな気持ちになります。

 

 

阿闍梨餅も美味しいですが、こちらの最中もおススメです。

何より一つの菓子に一つの餡を必ず守っていると言うことで、合わせる素材に1番会う餡子を作ってらっしゃるそうです。

なので全て合わせる素材が違くても餡と最中種や阿闍梨餅の皮が上手く纏まっています。

餡を炊くのはとても大変な作業ですから本当に凄い事だと思いますし、品目が少ないのはそれ故だと思うと一つ一つの商品に対する本気度とか愛だとかが伝わってきます。

NHKのドラマ 銀二貫で餡子の作り方を聞きにいって張り倒されるシーンがありましたが、餡はまさしく宝な訳ですからどこまでもこだわって頂きたいと思います。

  

丁寧な仕事と言うのは本当に頭が下がります。

有り難く頂戴しようと思います。